[Book] 平野敦士カール 「プラットフォーム戦略」

プラットフォーム戦略
プラットフォーム戦略 

posted with amazlet at 11.06.06
平野 敦士 カール アンドレイ・ハギウ
東洋経済新報社
売り上げランキング: 8029

 

 

 

Googleの各サービスや、AppleのiTunes、マイクロソフトのWindowsなど、特にIT業界で進む「場」「エコシステム」を提供する、プラットフォーム戦略について説明、分析した内容。IT業界にいる人なら、思考の整理に使える本。IT業界じゃない人には、考え方に発見があるのではないでしょうか。(合コンも例の一つ) 難しい事はあまりなく、なんか見たことある流れだなぁと思ったら、大前研一の大学で使った授業の内容の焼き直しかもしれません。

思考の整理の上で、参考になったのは、プラットフォームの横暴への対応と、負けないためのオープン戦略の2点。

プラットフォームの横暴とは、既存のプラットフォーム事業者が、プラットフォームの利用者に対して不利な状況を作ること。最近でも、AppleがAdobe Flashを排除した件、DeNAが協力会社に排他的契約を迫った件、などたくさん例があります。本書では、プラットフォームの利用者、または今プラットフォームを持っていない立場のときに、起きうる横暴の分析と、対してとる方策についていくつか触れられているが、簡単かつ当たり前っぽいことばかり(契約とか、損得を数値化するとか)。プラットフォームの利害関係者が多いこと、業界のスピード感が高いことから、利用者(弱者)が、横暴の被害を受けないように実際に判断しアクションを取るのは非常に困難に思える。

プラットフォーム事業者が、他社を排除したり、ルール作りをするクローズ型(特にApple)に対し、勝つのではなく負けない戦略が、(Appleに対抗してGoogleがとる)フリー&オープン戦略。この「負けない戦略」というのが言い得て妙。AndroidがAppleのエコシステムの対抗軸になり、各種メーカー・アプリ開発者が群がった。しかし、差別化が困難、Androidアプリ全体の1%しか儲からない状況で、プラットフォームのメリットが最大限に(特に参加者に)発揮されていない。でもGoogleはAppleのひとり勝ちを防ぎ、自身のメディアの価値をとどめている。故に、「負けない」戦略。

しかし、Appleの先進性と強引さに、Googleのしたたかさ(広告さえ増えれば、Androidで儲からなくてもいい)に、対抗する軸を日本企業が出すことは。。。むむむ。

 

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

Spam Protection by WP-SpamFree