[Book] FREE経済が日本を変える
クリス・アンダーソンの「FREE」を、早稲田大学教授の野口智雄氏が、日本での事例を交えて解説、批評した本。原著の「FREE」を読む前にちょいと見つけて読んでみました。結論から言うと、著者の独善的な所が目立ち、かなり残念な感じ。
「FREE」の4つのポイントは、
- 直接的内部相互補助(携帯を0円で売って、通話料で儲ける)
- 三者間市場(フリーペーパーと広告)
- フリーミアム(Evernoteのように無料とプレミアム有料サービスがある)
- 非貨幣市場(Wikipediaのようなボランティア精神がモチベーション)
なのですが、著者がマーケティング専門のせいなのか、新しいビジネスモデルよりも、1.の直接的内部相互補助における人集め・興味集めといったマーケティング効果にフォーカスしすぎています。
クリスが言うコンセプトを、著者個人の考えや経験で無下に批評する点が多いのも、いかがなものかと。例えば、クリスの「21世紀型フリー」で「無料は有料と同等かより良いものを提供している」とフリーミアム製品を評価しているところで、著者の経験でフリーソフトより有料ソフトのほうがサポートもあるし優れているからおかしい、と強く断じているのは、的外れもいいところ。他にも、リアルマーケットのほうが優れているとか、ある特定の企業しかビジネスが成立しないと断じたりとか、それこそ20世紀型のやり方では?と首をかしげる所が多い。一言で言うと、偉そうに。。。ああ、偉い方なんですね、って。
この著者はネット関連の見識はかなりない方(ネット偏重で首をかしげる、とか言ってるし…)だと思われるので、それには注意というか、無視して読めば、「FREE」よりずっと薄く短時間で内容を得られそうではある、という本。やはり、原著読もうと思います。実は原著を買ったけど先にこっちを見つけて読んでしまいました。
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